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今日紹介するのは…
I Still Love H.e.r./Teriyaki Boyz Feat. Kanye West 以前にもこのブログで紹介しましたね。 2007年My 1st Hitです。 TSUTAYAでも借りられます。 個人的に今ハマっているキラキラソウルフル路線。 この曲はど真ん中ストライクです。 introのこもった音を抜けて最初のドラムが入るところで… グンッ!! ってノるのが僕流の楽しみ方。 そんなことより、 "I Still Love H.e.r." このタイトルを聴いて引っ掛からない人はB-Boy失格ですね。 Resurrection/Common このアルバムに収録されているのが、 "I Used To Love H.e.r."という曲。 "I Still Love H.e.r."はこの曲へのオマージュなんでしょう。 しかし、この曲がただの曲ではないんです。 これがリリック。 『10歳の頃、ソウルフルでオールドスクールな年上の女性に出あった。 程なくして、精神的にも肉体的にも彼女と結ばれるコモンだが、 「彼女がアンダーグラウンドだった頃、オリジナルで、ピュアで、性格の良い娘だった。 そんな彼女が懐かしいよ」と嘆く。 コモンはそんな彼女の姿を、クラブやハウスパーティーなどで度々見かけるようになる。 その後、彼女はビデオにでたり、アフリカ至上主義やストップ・ザ・バイオレンスを唱えたりするようになる。 「黒人であることについて、彼女は俺に教えてくれた」とコモン。 が、彼女もやがてウエスト・コーストに出て行き、男もできてBIGになる。 路線を変更して、R&B、ハウス、ジャズなどに入れ込み、ITS ALL GOOD、BOYZ N THE HOODとも付き合うようになる。 また、白人から商売のやり方を聞かされ、そのとおりにする彼女。 話すことといえば、ぶっ放すだの、喧嘩するだの、ぶっ飛ばすだの。 今や彼女もギャングスタ。 ギャングスタビッチとつるみ、いつもブラントをふかし、酔っ払ってる。 ハードコアだ、リアルだと唱えてばかり。 彼女が本当にリアルだったのは、ショウビズ入りする前だった。 コモンは言う。 「本当に多くの男にやられた彼女だけど、彼女本来の姿を俺が取り戻してやる。 ばかげたことをやめさせるために」』 さぁさぁ、この曲に西の大御所アイスキューブが噛み付きます。 "Westside Saughterhouse" Mack 10 feat.Ice Cube & WC 『おいおい、あの曲を聴いたか? コモンの"I Used To Love H.e.r." アイツ、あの曲でヒップホップが西に行ってダメになったって言ってるよな?』 確かに、 『が、彼女もやがてウエスト・コーストに出て行き、男もできてBIGになる。 話すことといえば、ぶっ放すだの、喧嘩するだの、ぶっ飛ばすだの。 今や彼女もギャングスタ。』 この辺なんかはずばりですね。 しかし、コモンはアイスキューブをディスりかえします。 このディスがすごい。 "The Bitch In You" Common 『キューブという名の態度の悪いニガ(nigga Wit an attitude)がコモンとモメに来た。 ていうか俺がアホだとでも思ってんのか? 西海岸全体をディスるなんて。 ていうかお前「AmeriKKKa's Most~」以降ロクな作品作ってないクセに、 なんでそんな偉そうなんだよ。偽善者が。 お前の死亡証明書(Death Cirtificate)に記入してやる。 高等教育(Higher Learning)を使えよ、見た感じだけで俺の歌詞を判断するなよ。 これは東西抗争とは関係ねぇ、俺はシカゴ出身、カリに行けばニガ達はラヴをくれる。 お前が自分の中にあるビッチを追い出さない限り、俺はお前について歌い続けるぞ。 最後にこの言葉を送ってスイッチを切ろう。 結局ビッチはビッチっていうことだね。』 ※nigga Wit an attitude…Ice Cubeが所属していた西海岸伝説のグループ"NWA(Niggaz With Attitude)"のこと。 エミネムをフックアップしたDr.Dre、エイズで病死したEasy-Eらも在籍。 ※Death Cirtificate…Ice Cubeの2nd Album ※Higher Learning…Ice Cubeも出演した映画のタイトル。 (ちなみにIce Cubeは「アナコンダ」等にも出演している。) これだけの説明がいるんですよ。笑 それだけ作りこまれた歌詞なんですね。 コモンのリリシストぶりがうかがえます。 後に和解に至るこのビーフ。 詳しくはコチラ を見ればわかると思います。 僕も見てません。 また見ます。 "I Used Love H.e.r."という1曲からこんなに話が広がっていくんですが、 コモンが本当に言いたかったのは、 『本当に多くの男にやられた彼女だけど、彼女本来の姿を俺が取り戻してやる。 ばかげたことをやめさせるために』 この部分、ヒップホップへ対する熱い気持ちだと思うんです。 そして、 I Still Love H.e.r./Teriyaki Boyz Feat. Kanye West にも、ヒップホップへの愛が感じられる部分がリリックにちりばめられているんです。 わかりやすいのが、クラシック曲のタイトルがいくつも入っているところ。 例えば、 "Memory Lane" "They Reminisce Over You" "O.P.P." "1nce Again" "Let The Rhythm Hit" "Just Get A Rep" "About The Benjamins" "Choise Is Yours" "Passin' Me By" "C.R.E.A.M." "Rappers Are In Danger" (後のリンクが大変になるのでこんなもんで…) こういうとこってカラオケで歌う時に力入っちゃうんだよなー。 "Golden Mic" Zeebra 「俺だって昔はただのファン チッタの裏で待ったKRS-One マジPublic Enemy No.1 K-DUBがDMCで俺がRun JMJと遊んだ晩…」 ってとこは窒息死寸前になります。 ちなみに般若のヴァースはいつも取り合い。笑 まぁこういう明確なHiphop愛の表現もあるんですが、 コモンの曲同様Hiphopを彼女と上手く置き換えてラップしてるんですよね。 聴いていて熱くなる部分もたくさんあります。 その中で、僕が最も好きなフレーズはココ。 「口癖は革命だったのが今では"Money Makin"」 by Verbal これはHiphopの世界ではよく言われることですよね。 昔はいかに周りと違うことをするのか、オリジナルを生み出すのか、 コレが一番大切にされていたのに、 今では「○○っぽい」という宣伝文句が大きな力を持っているし、 金儲けのためのHiphopになってしまっている。 だからダメだ、ということではないんだけれど、 やっぱり昔のHiphopの方が面白いと僕は思う。 このことは多くの人が考えていることだろうし、 最近のClassic再発ブームはこの波に乗ったものなんだと思う。 確かに手に入りづらかった音源が聴けるのは嬉しい。 でもそれに満足しているだけでは間違いなくHiphopは死ぬ。 これからのHiphopは新譜に懸かっている。 2007年現在にClassicと呼ばれている曲の全ても、 かつては新譜だったのだ。 つまりいい新譜が出ないことにはClassicは生まれない。 Classicの生まれないシーンがこれから続いていけば、 だんだんとHiphopは過去のものとなる。 これが本当の死だ。 今日、Hiphopシーンの現状に危機感を感じた国内外の多くのアーティストが、 Hiphopの勢いを取り戻そうとする動きを見せているように思う。 では、聴く側にできるサポートの仕方とはなんだろうか? それはもっと新譜に対して目を向けることだと思う。 良いものを貪欲に探し、 悪いものは悪いと切り捨てる、 これを今よりももっと力を入れてやることが大切だ。 それがアーティストへの刺激となり、よりよい音楽の誕生へと繋がるのだ。 2007年は僕のブログでも新譜の紹介に力を入れていく。 シーンの成長はリスナーなくしてはあり得ない。 このことを忘れずに音楽を聴いていこう。 [必聴!!] I Still Love H.e.r./Teriyaki Boyz Feat. Kanye West を聴く! I Used To Love H.e.r./Common を聴く! Westside Saughterhouse/Mack 10 feat.Ice Cube & WC を聴く! The Bitch In Yoo/Common を聴く! Memory Lane/Nas を聴く! They Reminisce Over You/Pete Rock & C.L. Smooth を観る! O.P.P./Naught By Nature を聴く! 1nce Again/A Tribe Called Quest を聴く! Let The Rhythm Hit' Em/Eric.B & Rakim を聴く! Just Get A Rep/Gang Starr を聴く! It's All About The Benjamins/Puff Daddy & The Family を聴く! Choise Is Yours/Black Sheep を聴く! Passin' Me By/The Pharcyde を聴く! C.R.E.A.M./Wu-Tang Clan を聴く! Rappaz R. N. Dainja/KRS-One を観る! ---------------------------------------------------------------------------------------------- ネタはMFSB"Dance With Me Tonight" ちなみこのアーティストはJay-Z"What More Can I Say"でも使われています。 『70年代のフィリー~サルソウルを支えた、総勢50名近くからなるミュージシャン集団、M.F.S.B.。オージェイズ/スタイリスティックス/スリー・ディグリーズ/ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツといった名立たるアーティストたちのヒット・ナンバーのほとんどが彼らによって演奏/アレンジされ、70年代ソウルの代名詞とでも言うべきサウンドを生み出した。』 ¥1575
by bong_bong_bong200
| 2007-02-17 18:00
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